2011年10月12日水曜日

2011年フランスワイン情報 ボジョレ編

フランスワイン振興会から 2011年のフランスワイン情報が参りました。今年、ボージョレーは、ほぼ理想的な天候に恵まれた。春から日照に恵まれた上に、夏の間は雨が少なかった(この地方にしてはとても珍しい)。この天候により、ぶどうは昨年より3週間早く、最高の熟度に達することができた。このため2011年は 、この数十年間で、最も早熟な年の一つである。ボージョレーでは、収穫が8月24に始まり、9月16日頃に終了した。ぶどう畑の衛生状態は素晴らしく、ぶどうはとても偉大な品質である。果梗と種はよく熟し、果皮は厚く、糖と酸のバランスも良い。発酵は順調に進み、アロマを維持しながら、色とタンニンが徐々に抽出されている。熟度は見事で2009年に匹敵するが、酸はかなり少なく(2009年や2010年より少ない)、このため濃縮したワインというよりも、滑らかなワインとなっている。
発酵室では醸造が終了し、試飲の結果はとても有望で、豊かであると同時に果実味があり、とても繊細で色も濃い。果実味は、赤い果実でも、黒い果実でもなく、両方と言える。「2011年は、アロマがとても多彩です」と、Sicarex(ボージョレーのぶどうの研究機関)の技術部長ベルトラン・シャトレは言う。「ワインは豊かで、力強いですが、だからといって爽やかさを失っていません。程よい丸みがあるので、心地よく飲めます」と述べている。
2011年のワインはすでに将来有望と見られ、とても偉大な品質であった2009年や2010年と同じ系統にある。2009年は、素晴らしく濃縮し、熟度と酸のバランスがとても良く、神話となっている。2010年は正統派で、アロマの表情が素晴らしく、とても繊細である。そして2011年は、豊かで豊満で、絹のように滑らかなワインで、ボージョレーは改めて、良いヴィンテージでつながったわけである。
2009、10、11年という3部作を通して、ボージョレーは、豊かな香りと繊細なタンニンが巧みに結びついた、しっかりとしたストラクチュアのある力強いワインに回帰している。我々の知る限り、今年、他のいかなる産地も主張することのできない成功である。
11月17日午前0時、ボージョレー・ヌーヴォーの解禁とともに、2011年をぜひ味わっていただきたい。

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